100年前と現代の子ども達の違い

2020.06.29 Monday 08:00
0

     

    マリア・モンテッソーリ女史が

     

    『こどもの発見』

    (それまでの『こども観』

    ひっくり返す価値観)

     

    を世に発表してから100余年経ちます。

     

    この古典的ともいえる

    『モンテッソーリ教育法』

    現代のご家庭にも

    称賛を持って受け入れられています。

     

    素晴らしいことだと思います。

     

    この事実は、どの時代においても

    子ども達の素養は変わらず、

     

    その発達のベクトルは

    同じ方向に向かっている、

    と証明していると思います。

     

    しかしながら、教師として

    私が現場で実践を重ねると、

     

    理論通りではない実例に

    たくさん当たりました。

     

    それは何故か。

     

    理由は色々有りますが、

    その一つに時代の変化が挙げられるでしょう。

     

    子ども達自身は生物として

    その本性は変わらないはず。

     

    しかし、それを取り巻く

    環境の変化によって、

    子ども達に

     

    何かが追加されたり、削減されたり

     

    しているのだと思います。

     

     

    マリア・モンテッソーリ女史が活躍した

    1900年代前半は、

     

    第一次、二次世界大戦、

    ファシズム政権の統制、

    戦後復興期

     

    と世界中がドラスティックな

    変貌の時代でした。

     

    その日の糧のために奔走する大人達にとって

    子ども達は、単なる

     

    『未熟な大人』

     

    でしかありませんでした。

     

    貧富の差も激しく、

    特に貧困層の家庭では

     

    子どもの教育にまで

    手が回らなかったのです。

     

    そうした、知識や教育に

    飢えていた子ども達は、

     

    マリア・モンテッソーリ女史の教育に

    夢中になりました。

     

    そのような訳で、

    マリア・モンテッソーリ女史の書かれた書物は,

     

    どれもこれもその頃の子ども達の

    煌めく実例が多いです。

     

    例えば彼女の数教育の発展にも

    エピソードがありました。

     

    『こどもの家』

    字を書けるようになった我が子を見て、

    あるお母様に頼まれたそうです。

     

    ☆「マリア先生、どうか子どもに数を

    教えてやってください。

    私は数えられないので市場で買い物をすると、

    悪い店主に騙されることがあるのです。」

     

    本当に、教育に飢えていた時代だったのです。

     

    また、イタリアに限らず、

    数十年前の日本も

    そういう風潮はありましたね。

     

    【東洋の至宝】と称される

    私の恩師の松本静子先生は

    半世紀に渡って日本の『幼児教育』

    見守っていらっしゃいます。

     

    (注:日本人として初めて

    AMI国際モンテッソーリ協会の

    教師養成トレーナーとして公認された方。

    御年96歳!いつもお美しい!)

     

    その静子先生のお言葉です。

     

    ✨「昔はね、幼稚園で

    初めて字を知る子がいたの。

     

    自分の名前の一文字を

    教えてあげたら、

     

    その紙を掲げて

    走り回りながら

     

    「これが僕の名前の字だよ〜!」

     

    って、それはそれは嬉しそうに。

     

    そんな時代でしたのよ。

    今は子ども達があれほどの感激を

    持つことは難しいですね。」

     

    そんなお話をしてくださいました。

     

     

    そう、

    現代は知識と情報に溢れています。

     

    特に日本を俯瞰すれば、

    教育は均等に保障されています。

     

    どの子ども達もある一定の

    教育の機会は充分に確保されています。

     

     

    また、

    各ご家庭も、より高い教育の工夫を

    していらっしゃる。

     

    素晴らしいことだと思います。

     

    加えて、

    スマホ、PC、書物、マスコミ、

    教材、塾などの教育機関。

     

    必要な知識は指一本で

    即刻手に入れられます。

     

    そう、

    現代の子ども達は

    あの頃の子ども達と

    比べ物にならないくらいに

    整った教育環境に囲まれています。

     

    時にやり過ぎるほどに。

    時にその方向が

    あちこちに散らばることも。

     

    それだからこそ、

    現代のモンテッソーリ教師は

    現代ならではの工夫が必要です。

     

    100年前のイタリア、

    50年前の日本。

     

    その頃の子ども達の

    知識への渇望。

    感性の敏感な煌めき。

    感覚の新鮮な発見。

     

    ✨これらを、現代の子ども達の心に

    呼び戻さなければなりません。

     

    それは、教育に恵まれた時代ならではの

    ジレンマなのかもしれませんね。

     

     

     

     

    子ども達は変わっていないはず。

    しかし、今はその心に火をつけるのも

    教師の発想と努力が必要だと思います。

     

    Comment








       

    Calender
       1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031 
    << July 2020 >>
    Selected entry
    Category
    Archives
    Profile
    Search
    Others
    Mobile
    qrcode
    Powered
    無料ブログ作成サービス JUGEM